夏場にぴったり水出し緑茶!免疫力アップ・ビタミンC…おいしい入れ方

日本茶というと熱いお湯を注いで飲む……という人が多いかもしれませんが、「水出し緑茶」ってご存知でしょうか?暑いときに喉ごしがさわやかで、緑茶独特の抗酸化・抗菌作用など熱い緑茶以上の効果があるのも見逃せません。そこで、夏場にぴったりの水出し緑茶のおいしい入れ方をご紹介しましょう。

水出し緑茶って?

水出し緑茶とは、水でじっくりと抽出する緑茶のことです。この水出し緑茶には、熱い緑茶にもまさる抗菌作用やビタミンCが豊富に含まれていて、暑い夏場を乗りるにはぴったりの飲み物です。

私たちがよく飲む熱い緑茶には、カテキンが多く含まれています。カテキンは苦みと渋い味が特徴で、風邪やインフルエンザなどの予防の効果があることで知られています。

一方、水出し緑茶には「エピガロカテキン」という熱い緑茶とは別の成分が豊富に含まれています。

普通のカテキンは熱湯でよく抽出されますが、エピガロカテキンは熱いお湯では抽出されないことが、最近の研究でわかってきました。ですから、夏場は熱い緑茶より水出し緑茶を飲むと、エピガロカテキンのすぐれた効果が健康や美容にも期待できるというわけです。

カテキンとエピガロカテキンの違い

「カテキン」「エピガロカテキン」は両方とも茶葉に含まれる成分ですが、お茶を入れるお湯の温度や抽出する時間によって成分の溶けだし方が変わってきます。

普通のカテキンは熱湯でよく抽出されますが、エピガロカテキンは熱いお湯では抽出されません。カテキン高い温度で抽出されやすいので、熱いお湯で入れた緑茶はカテキンを多く含んでいます。一方、玉露のようなお茶、50〜60℃くらいの低い温度で入れるとテアニンやアミノ酸などのうまみ成分が多く抽出されます。

低温でじっくりと時間をかけて入れる水出し緑茶には、カテキンの一種であるエピガロカテキンが含まれています。抗酸化力の強いエピガロカテキンは、緑茶以外の植物からはまだ発見されておらず、ウーロン茶や紅茶には含まれていない物質です。

参照:「日本カテキン学会」
http://www.catechin-society.com/qanda.html

エピガロカテキンの健康効果

水出し緑茶のように、低温で時間をかけて抽出されるエピガロカテキンは、いろいろな健康効果があることが解明されています。

免疫力をアップ、抗がん、動脈硬化の予防、悪玉コレステロールを分解、肥満予防など、さまざまな免疫の働きを活性化してくれることです。

また、エピガロカテキンは細菌やウィルスの感染予防にも有効であることが報告されています。食中毒予防の抗菌・殺菌作用や、体脂肪減や抗アレルギー、老化の予防、消臭などにも効果を発揮します。

熱いお湯を注いで入れる緑茶にはカフェインが多く含まれていますが、水出し緑茶ならカフェインが少なくなるので、子どもや妊婦も飲みやすくなります。

今まで飲んでいた緑茶を水出しで飲むだけで、梅雨時や夏場の水分補給や熱中症予防にも役立ちます。

ビタミンCも豊富

緑茶のビタミンC含量は100g中、玉露110マイクロg、抹茶60マイクロg、緑茶260マイクロg、ほうじ茶1マイクロg、ウーロン茶0と、緑茶のビタミンC含量がダントツであることがわかります。

ビタミンCは熱に弱く、熱い緑茶で飲むと壊れやすいので、同じお茶でもウーロン茶や紅茶にはビタミンCは製造過程でほとんどなくなってしまいます。ですから、水出しにすると熱い緑茶の数十倍もビタミンCを摂取することができるのです。

ビタミンCは人間の体内でつくれないので、食べ物などからとる必要があります。ビタミンCが不足すると、肌の老化や疲れ、生活習慣病などの原因となります。

成人1人1日あたりのビタミンC所要量は50mgとされていて、お茶一杯分50mlには6mg含まれています。ビタミンCを積極的に摂りたい場合は、水出し緑茶がおすすめです。

おいしい水出し緑茶の入れ方

基本的に緑茶なら常備しているものでいいのですが、新茶や深むし茶のようなうま味成分が多く、香りが濃く出るもののほうがよりおいしくなります。

【水出し緑茶の入れ方】

①急須に茶葉を大さじ2杯(約6g)入れ、ミネラルウォーター500ccを注ぎます。お茶出し袋を使って抽出してください。

②冷蔵庫で1〜2時間冷やせばできあがり。

一煎目を飲んだあと、二煎目も同じ要領で水をたすと、おいしくいただけます。湯煎だと時間とともに酸化して味が落ちますが、水出しすると苦味成分が出にくいので、甘みが凝縮された味わいが楽しめます。

季節を問わず毎日のお茶に、さわやかなグリーンも美しくお客様のウェルカムドリンクにも最適です。

【ティーバッグでボトルに作り置き】

①ティーボトルに水を1000cc注ぎ、ティーバッグを2〜3包入れます。

②5〜6時間、冷蔵庫で冷やして飲みます。

長時間ティーバッグを浸けておくと苦味が出るので、時間が過ぎたらティーバッグは取り出しましょう。

お茶の量を増やしたり、お好みで水の量や時間を調整してください。

夜のあいだにつくって冷蔵庫に入れておくだけで、翌朝にはおいしい水出し緑茶がつくれます。つくったお茶は、1日で飲みきるようにしましょう。

まとめ

水出し緑茶のまろやかな甘みは、これまでの緑茶以上の深い味わいがあります。エピガロカテキンという低温で抽出される成分が豊富に含まれていて、抗酸化・抗菌作用・ビタミンCも摂取できるので夏の美容にもぴったりです。