おろして良し、煮て良し、漬けても良しのだいこんですが、じつは火を通すより生のほうが栄養価が高いってご存でしたか?だいこんにはビタミンCや、ジアスターゼ、リパーゼなどの消化酵素が含まれていて、だいこんおろしはその効能がもっとも期待できる食べ方なのです。そこで、生だいこんの栄養価と効能、おすすめのレシピをご紹介します。
だいこんの栄養価と効能
だいこんには、風邪や老化防止に効くビタミンCをはじめ、デンプンを分解するジアスターゼ、リパーゼなどの消化酵素が含まれています。でも、これらの酵素は熱に弱く、だいこんおろしなど生で摂取するのがいちばん効果的です。
ビタミンCは、体内の免疫力を高めてくれます。なので、風邪の引きはじめやのどが痛いときに、だいこんの汁を飲んで治ったという話も聞きます。ただ、ビタミンCは体内でほとんどつくることができないため、野菜や果物など食品から摂取するしかできないのです。
また、ジアスターゼは、炭水化物(デンプン)の消化を助け、食べ物の消化が悪いと胃がもたれたり、ゴロゴロしたりします。おもに、胃酸過多、胃もたれや、胸やけなどに効果が期待できます。おもちを食べ過ぎたときなどにだいこんおろしを食べると、胃がスッキリします。
リパーゼは、中性脂肪を分解・消化する酵素です。すい臓でつくられ十二指腸に運ばれますが、この間に異常が発生すると血液中の濃度が上昇します。食物から摂取した脂肪は消化の途中で胆汁と混ざりあい、リパーゼによって分解が進められます。分解された脂肪は脂肪酸に変わり、血液に乗って体のエネルギーとして使用されます。
おどろくべき、だいこんの健康パワー!体の細胞の代謝がよくなったり、老廃物を排出しやすくなり、不必要な脂肪細胞も減少させるなど、いろいろな効能が潜んでいるのがわかりました。
これまでは料理の脇役くらいにしか思っていませんでしたが、毎日の食卓で賢い食べ方をしていきたいですね。
おすすめの食べ方
だいこんおろし
だいこんおろしは、前述の炭水化物の消化を助けてくれます。だいこんおろしをからめて食べるからみ餅、おろしそば、おろしうどんなどがおすすめ。
また、たんぱく質や脂肪の消化も助けてくれるので、焼き魚やしらす、焼肉、鶏唐揚げ、和風ハンバーグ、焼き油揚げ、天ぷらなど、だいこんおろしを添えると、さっぱりと食べられます。
二日酔いでスッキリしないときは、だいこんおろしの汁を飲んでみてください。 胃の不快感が解消するとともに、ビタミンCが肝臓の働きを高めてくれます。
アレンジレシピ
だいこん生ハム巻き
だいこんは薄い半月切りにし、塩少々でもんで、しんなりさせます。生ハムは食べやすい大きさにカット。生ハムでしんなりしただいこんを巻きます。お皿に盛って、オリーブオイルを少しかけてできあがり。
一口サイズで食べやすく、ワインのおつまみにもピッタリの一品です。
千切り白味噌和え
だいこんとにんじんを千切りにし、白味噌で和えます。千切り器を使うと、あっという間に千切りができます。だいこんとにんじんの千切りに塩少々をふりかけ、5分ほど置いておきます。
白味噌大さじ2、酢大さじ1、砂糖小さじ2をすり鉢でよく混ぜ合わせます。千切りだいこんとにんじんを軽くしぼって水分をとり、調合した白味噌で和えてできあがり。季節によっては、ゆずの皮を飾ると風味がよくなります。
ハリハリだいこん
干しだいこんを薄くスライスして醤油に漬け込んだものです。
だいこん1/2本を皮を剥き、いちょう切りにし、1日乾燥。タレは、しょうゆ大さじ6、砂糖大さじ3、みりん大さじ2、酢大さじ1、昆布5cm角1(2mm幅にカット)を、ぜんぶ鍋に入れて沸騰させます。干しただいこんをタレに漬け込み、翌日から食べられます。
大根らしい食感と、程よい甘さとしょうゆの味がマッチしていてご飯によく合います。おにぎりの具にしても美味しいですよ。
部位ごとの違い
だいこんは部位によって辛みや水分量が異なります。葉元は水分が多く甘みが強め。先端部は水分が少なく辛みが強めで、真ん中は辛みと甘みのバランスがほどよい部分です。
おろすときは、だいこんおろし器に直角にあてておろすと、繊維が細かくなり、口あたりの良い仕上がりに。ななめにあてておろすと、繊維が粗くなり、直角よりも大根の食感が感じられます。
すりおろしてから時間がたつと口あたりや辛み、ビタミンCが損なわれてしまうので、食べる直前にすりおろしましょう。
まとめ
だいこんは年間を通して出回っているので、食卓に取り入れやすいですね。肉や魚のどんな料理にも、だいこんおろしをちょっと添えるだけで健康バランスがアップします。調理もかんたんなので、ぜひお試しください。