ISETANDOORでみつけた珍しい野菜「ビーツ」って?ボルシチづくりに挑戦!

伊勢丹ドアのネットショップには、スーパーでみかけない珍しい野菜が販売されています。今回みつけたのは、「ビーツ」。あまりなじみがなく、食べ方がわからないので買ったことがない、という方も多いのではないでしょうか?ビーツを使った料理や、「食べる輸血」といわれるほどの健康効果も気になります。そこで、ビーツに含まれている栄養素や、ボルシチのつくり方をご紹介します。

ビーツってどんな野菜?

ビーツって

ロシア料理の代表格といえば「ボルシチ」ですが、これに欠かせないのがビーツです。見た目は赤カブに似ていますが、実はほうれん草と同じアカザ科の西洋野菜です。

ビーツの原産地は地中海沿岸で、ヨーロッパでは昔から健康によい野菜としてよく食べられています。古代ローマ人は発熱や便秘の治療薬としてビーツを使ったといわれています。

テーブルビート、レッドビーツ、和名ではカエンサイ「火焔菜」(かえんさい)などの呼び名もあります。砂糖の原料になるテンサイの仲間でもあるため、ほのかな甘みが感じられます。

市場に出回らない珍しい野菜

伊勢丹ドアでは、市場でもまだ珍しく農園までシェフが足を運ぶという野菜が手に入ります。北海道江別市の恵まれた自然環境で栽培されたビーツ。農家さんが試行錯誤を繰り返し育てているので、味に深みがあり濃厚なのが特徴です。

旬は年に2回あり、6月〜7月、11月〜12月ごろ。日本でも近年、人気が高まりつつある野菜なのでレストランの野菜サラダなどで、食べたことある方もいらっしゃるでしょう。

ビーツの味は、テンサイと同じ仲間でショ糖が含まれているので、生で食べると土臭さと同時に甘みを感じます。加熱すると、ダイコンのような食感のやさしい味わいに変化します。

見た目が鮮やかなビーツは、ボルシチなどの温かな料理、生のままサラダやスムージー、ピクルスなどといった応用範囲も広がる野菜です。

おどろきの栄養素

真っ赤なビーツは、食べる輸血といわれるほど栄養豊富です。ナトリウム、カルシウムなどのミネラルをはじめ、ベタシアニン、カリウム、NO(一酸化炭素)、ビタミンB群など、ほかの野菜にはなかなかない成分が含まれています。

❐ベタシアニン

ビーツの赤色は、赤い色素「ベンタシアニン」によるものです。ベンタシアニンはポリフェノールの一種で、高い抗酸化作用があり、体の中の活性酸素を取り除いて老化を防いでくれます。美肌づくりに効果的なので女性にうれしいですね。

❐カリウム

ビーツには、レタスやトマトの2倍以上のカリウムが含まれています。カリウムは、高血圧の予防や、細胞の代謝や神経・筋肉の働きに関わる重要な栄養素です。また、体内の余分なナトリウムを排出する働きがあり、食欲不振や倦怠(けんたい)感、むくみの解消にもつながります。

❐NO(一酸化炭素)

ビーツは、体内の「NO(一酸化炭素)」を増やす働きがあることで注目されています。NOは、血行の改善や血栓の発生を防ぐといわれ、動脈効果の予防につながります。また、冷え、肩こり、疲労回復や基礎代謝率アップ、筋力アップも期待できます。

❐ビタミンC、ビタミンB1・B2・B6

ビーツには、魅力的なビタミン群が多く含まれています。ビタミンCは、皮膚、粘膜の健康維持や高い抗酸化作用があります。

特にビタミンB6は、たんぱく質(アミノ酸)の代謝に欠かせないビタミンです。神経ホルモンの代謝にも必要とされています。皮膚炎を予防することから発見されたビタミンなので、健康な肌を維持するために大切な栄要素です。

また赤血球の数を増やしたり、タンパク質の元となる葉酸も含まれています。

ビーツを使ってボルシチ&スムージー

ロシアの定番料理のボルシチ。牛肉の角切りをブイヨンで煮込み、ビーツやたまねぎ、じゃがいも、にんじん、キャベツなどの野菜を加えてさらに煮込むのが、本場のおふくろの味です。

今回は、かんたんレシピではじめてのボルシチづくりに挑戦してみました。

材料(2人前)

・ビーツ……1/2個

・たまねぎ……1/2個

・にんじん……1/4本

・キャベツ……1/4個

・牛肉……100g

・トマトピューレ……100g

・水……200cc

・オリーブオイル……適量

・固形スープの素……1個

・塩、こしょう……適量

・砂糖、酢、トマトケチャップ…各小さじ1/2

・サワークリーム……大さじ2

つくり方

①ビーツは皮をむいて、5mmのくし切り。たまねぎ、にんじんも皮をむき食べやすい大きさに、キャベツも同様にカットします。

②鍋にオリーブ油を入れて中火で熱し、牛肉を炒めます。肉の色が変わったら水と固形スープの素を加え15分ほど煮込みます。

③②に、ビーツ、たまねぎ、にんじん、キャベツを加え、煮立ったらふたをして弱火にし、15分煮込みます。塩少々、黒こしょうで味をととのてできあがり。

加熱しても、ビーツの赤い色はそのまま残っています。最後に白いサワークリームをのせると、見た目がとても鮮やかになります。

牛肉に味を染みこませるため、ブイヨンで煮込んでおくのがポイント。肉質がやわらかく、ジュワっととろけるようです。

じゃがいもやカブなどの冬野菜を加えてもおいしく仕上がるので、おうちにある野菜で、ぜひつくってみてはいかがでしょう。温まるだけでなく、栄養も申し分なしです。

スムージー

手軽に栄養が取れて、基礎代謝もアップするので、スポーツや筋トレの前に生ビーツのスムージを飲む人も増えているそうです。

つくり方は、ビーツ1/2個(50g)と水150ccくらいをミキサーでかくはんするだけで完成。ビーツの自然な甘みが楽しめます。味の変化を楽しみたい時は、トマトやリンゴ、蜂蜜、レモン汁などを加えてもいいですね。

まとめ

ビーツはなじみのない野菜ということもあり、味の想像がつきにくいかもしれません。食べ方がわかると、料理のレパートリーが増えて食卓も豊かになります。