上品な甘さとプチプチ食感がたまらないいちじく。じつは、アンチエイジングに効果があるってご存知でしたか?栄養素が豊富で、女性お悩みの便秘や美肌効果も期待できそうです。いちじくの旬は9月ごろなので、サラダ、天ぷら、お菓子などいっぱいつくって、おいしく食べながら健康維持につなげましょう。
不老不死の果物とも
いちじくは古代ローマで「不老不死の果物」とも呼ばれていて、さまざまな栄養素が含まれています。地中海地域が原産で、エジプト、ギリシャなどで紀元前から栽培されている果物です。
日本には江戸時代の初めに、中国を経て伝来しました。いちじくは花が咲かないように見えるので「無花果」と書きますが、実際には果実のなかに無数の花をつけて成熟し、外からは花が見えないだけの変わりだねです。
秋(8月〜10月末)ごろに旬を迎えますが、代表的なのは「桝井ドーフィン」という品種で大きく食べごたえがあり、国内の流通量の約8割を占めています。このほか、福岡県オリジナル品種の「とよみつひめ」は果肉がとろりとして甘みが強いのが特徴。
また、フランスからやってきたバナーネという品種は熟しても赤く色付かず、白いちじくと呼ばれます。ビオソリエスという品種は黒いちじくとも呼ばれ、小ぶりで果皮が濃い紫色で見た目も個性的です。
最近の新品種は味も食感もまったく違うので、自分のお気に入りのいちじくを見つてみてはいかがでしょう。
いちじくの効能と栄養素
- 便秘や下痢に効果
いちじくには食物繊維のペクチンが豊富に含まれています。ペクチンは水に溶けるとゼリー状に固まる性質があり、便秘のときには便をやわらかくしてくれ、下痢のときはゼリー状の膜になって腸内環境を整えてくれます。
この2つの種類の食物繊維がバランスよく働くことで、血糖値やコレステロール値を下げ、動脈硬化や糖尿病の予防にも役立つとされています。
- むくみや夏バテ予防にも
いちじくに含まれているカリウムには、体内の塩分を体の外に出す働きがあります。このバランスが乱れるとむくみの原因になり、体がだるくなります。
熱中症や夏バテは大量にかいた汗で失われる水分、塩分、カリウム不足などが原因とされています。カリウムは血圧の低下や脳卒中の予防、骨密度の増加にもいとされています。
また、いちじくには鉄分も含まれていて貧血予防に役立ちます。酸素を運ぶヘモグロビンの材料となるため、鉄分が不足するとめまいや息切れや体のだるさをもたらします。
- 美肌効果に一役
ポリフェノールの一種アントシアニンは、老化の原因となる活性酸素を除去してくれます。シミ、シワの原因であるメラニン色素を抑える効果があります。
とくに、いちじくのつぶつぶのところに多く含まれているエストロゲンは女性ホルモンのバランスを調整してくれます。月経前症候群や生理痛、更年期障害の改善も期待できます。
アントシアニンはコラーゲンを安定させる作用があり、皮膚の弾力を保ちみずみずしい肌を保つのに不可欠なものです。
- 胃もたれや二日酔いにも
いちじくの白い樹液にはフィシンが含まれていて、タンパク質分解酵素の一種が含まれています。肉や魚などのタンパク質を分解して消化を胃もたれや二日酔いに効き目があります。
フィシンの作用として、イチジクの果汁といっしょに肉をつけておくと肉がやわらかくなる効果があります。
いちじくのおいしい食べ方
いちじくは生のままでもおいしいのですが、夕食やデザートの食材として取り入れるとよりいっそう効果が広がります。毎日の食卓ににいちじくを一品プラスして、健康維持につなげましょう。
- いちじくのグリーンサラダ
材料
・いちじく……2個
・グリーンリーフ……適量
レタス、サラダ菜、赤ピーマン、いんげん、トマトなど
・ドレッシング……オリーブオイル&塩
切ってお皿に盛るだけのかんたんサラダ。お好きなグリーンリーフや赤ピーマンなどお好きな野菜を加えると、バラエティ豊かなサラダに仕上がります。
オリーブオイルやレモンといっしょに取ると、体内に栄養素が吸収されやすくなります。
- いちじくの天ぷら
材料
・いちじく……3個
・天ぷら粉……適量
・水……適量
つくり方
①いちじくはヘタを取ってさっと水洗いし、皮付きのまま4等分に切ります。
②天ぷら粉を水で溶き、いちじくに天ぷら粉をつけて180℃のサラダ油でカラッと揚げます。
塩をつけていただくと、いちじくの甘みがいっそう引き出されてデザート感覚で食べられます。天ぷらに使用するいちじくは、熟していないものがうまく挙がります。
- いちじくクレープ
材料
・いちじく……3個
【クレープ材料】
・薄力粉……200g
・卵……1個
・牛乳……200cc
・塩……少々
・バター……5g
・生クリーム……適量
つくり方
①クレープ材料をすべて混ぜて生地をつくっていきます。
②130℃の低温にコンロを設定し、バターをひき①を焼いていきます。表面に火が入ったら、すぐ裏返して両面を焼きます。
③皮ごと4等分したいちじくを焼いたクレープで包み、ラップをして冷めるまでそのままに。
生のいちじくをまるごとクレープで包みました。完熟いちじくのフレッシュ感あふれる絶品スイーツです。生地に砂糖を入れてないので、アイスクリームをトッピングするといちじくの酸味と重なって贅沢の極みです。
まとめ
古代から不老長寿の果物と呼ばれるだけあって、いちじくの栄養や効能には目を見張るものがあります。旬の時期が短いですが、自然の恵みの力を見逃さないようにしたいものですね。