チーズに秋野菜を”ちょい足し”?栄養バランスアップの賢い食べ方!

秋も深まり肌寒くなってくると、とろりとしたチーズ料理が食べたくなりますね。チーズにはたくさんの栄養素が含まれていますが、秋野菜と組み合わせると栄養バランスがさらにアップするって知っていましたか?そこで、今回はチーズの種類と栄養素、賢い食べ方についてご紹介します。

チーズの種類と栄養素

ふだん食べているチーズの種類は?って聞かれると、なかなか答えられないですよね。チーズには、産地や牛、水牛、羊などの乳種によってたくさんの種類があり、その製造方法や特徴から大きくナチュラルチーズプロセスチーズの2つに分けられます。

ナチュラルチーズ

ナチュラルチーズとは、生乳などをヨーグルト状の固まりから水分を排出させただけのものをいいます。

さらに、これを細菌やカビなどの微生物、熟成期間、外観などに分けると、なんと世界中で1000種類をこえるといわれます。なかなか奥が深いですが、今回は私たちがよく使うチーズの種類をみていきましょう。

  • フレッシュチーズ
    熟成させないチーズで水分が多いタイプ。ヨーグルト状のものやモッチリとした食感のものまで、クセがなく出来たての風味が味わえます。

    代表的なものにモッツアレラチーズ、マスカルポーネ、クリームチーズなど。
  • セミハードチーズ
    フレッシュチーズをプレスして熟成させたもの。水分量が少ない硬めのチーズ。

    代表的なのは、ゴーダチーズ、チェダーチーズなど。
  • ハードチーズ
    セミハードタイプをさらに熟成させたもの。水分が抜け、固い食感が特徴です。パウダーにして、サラダやグラタンなどのトッピングなどにつ使います。

    代表的なのは、パルミジャーノ・レッジャーノ、ミモレット、エメンタルチーズ
  • 白かびチーズ
    表面に白かびを植えつけ、熟成させたもの。熟成が進むと表面に白い壁のような表皮でおおわれますが、中はクリーミーで味もマイルド。

    代表的なのは、カマンベールチーズ
  • 青カビチーズ(ブルーチーズ)
    青カビをチーズの内部に植えつけ、中から熟成させたタイプ。塩味が強く、独特の臭いがクセになります。赤ワインとの相性がピッタリ。

    代表的なのは、ゴルゴンゾーラ、ロックフォールなど。

このほかにも、山羊乳からつくられた独特の風味をもつシェーブルやチーズの表面を塩水やワインで洗って熟成させるウォッシュなど、つう好みのものもあります。

プロセスチーズ

プロセスチーズはナチュラルチーズを「プロセス=加工」してつくったチーズのことです。ナチュラルチーズを粉砕し、高温で溶かし、型に入れて冷やしたもの。

加工する段階で高温殺菌されるので、熟成がストップして長期保存が可能です。とろけるチーズ6Pチーズなどもプロセスチーズの仲間です。

ちなみに、ヨーロッパではチーズといえばナチュラルチーズのことをさし、プロセスチーズは日本やアメリカで加工チーズがよく使われることからできた言葉だそうです。

チーズの栄養素

チーズは、牛乳の10倍の栄養素が凝縮された食材です。とくに、たんばく質とカルシウムはチーズの22〜28%を占める主成分。一般的に、長く熟成させて水分が少ないチーズほど高カロリーといえます。

  • タンパク質
    チーズのタンパク質は、身体に必要なアミノ酸をバランスよく含み、タンパク質のなかの王様ともいわれています。筋肉や免疫力の維持、高血圧の予防などにとても重要な栄養素です。
  • カルシウム
    日本の子どもたちがあまり魚を食べなくなって、不足がちなのがカルシウムです。子どもの歯や骨の成長だけでなく、成人の骨粗しょう症予防にも役立ちます。また、筋肉運動や神経伝達にも大事な栄養素です。
  • 脂肪
    脂肪は、体調維持するためにも必要な栄養素です。チーズに含まれる脂肪は揮発性脂肪酸が含まれており、消化過程で分解されやすく、すみやかにエネルギーに変わるため、太りにくい栄養素です。
  • ミネラル
    カルシウム、リン、鉄、ナトリウム、カリウムなど、身体を維持していくのに必要な栄養がバランスよく含まれています。骨をつくり血圧のバランスを調節しています。
  • ビタミン
    チーズには、ビタミンA、ビタミンB2が多く含まれています。Aは皮膚や粘膜を守り、視力の維持、免疫力を高めます。B2は、体内の脂肪を燃焼させ、身体の成長や疲労回復に役立ちます。

チーズと栄養バランスのいい食材!

申し分のないチーズにも、栄養素で欠けているものがビタミンCと食物繊維。そこで、野菜や果物といっしょにチーズを食べれば栄養バランスが最強のコンビになります。

旬の秋野菜とチーズを組み合わせて、効率よく栄養を摂取できるレシピをご紹介しますので、ぜひお試しください。

❐ビタミンD豊富なきのこ!

現代人に不足しがちといわれているカルシウムですが、その吸収を高めてくれるのがビタミンDです。Dは、しいたけ、舞茸、エリンギなどのきのこ類に多く含まれています。カルシウムを豊富に含むチーズとビタミンDの多いきのこを組み合わせると、効率よくカルシウムを摂取することができます。

きのこ入りカルボナーラ

材料

・舞茸/エリンギ/ゆでエビ……1人分

・パスタ……100g

・バター……20g

・牛乳……150cc

・顆粒コンソメ……小さじ1

・パルミジャーノチーズ…大さじ2

・卵黄……2個分

・黒こしょう……少々

つくり方

①塩を少々入れた熱湯でパスタをゆでます。

②フライパンにバターをひき、舞茸、エリンギ、ゆでエビに軽く火を通します。

③湯切りしたパスタを②のフライパンに入れ、牛乳、顆粒コンソメ、パルミジャーノチーズを加え手早く混ぜます。

④フライパンの火を消して、卵黄2個分を混ぜ、お皿に盛り黒こしょうをかけててできあがり。

パスタを茹でるあいだに具材に火を通し、フライパンにパスタを入れたらカルボナーラソースを手早く仕上げるのがコツ。

❐食物繊維が豊富なナス・さつまいも!

ナスには、チーズにはない食物繊維が多く含まれています。食物繊維は消化を助け、胃腸を整える役割があります。また、ナスの大部分は水分でできているので、低カロリーなところもおすすめです。

なすとスライスチーズの重ね焼き

材料

・なす中サイズ……2個

・スライスチーズ……4枚

なすを1cm幅で縦割りにし、なす、スライスチーズ、なす、スライスチーズの順に重ね、塩、黒こしょうを軽くふっておきます。ガスコンロのココットプレートに入れ、オート調理9分で焼き上がれば完成。

さつまいものサイコロチーズ焼き

チーズには含まれていないビタミンCや食物繊維がさつまいもには含まれているので、栄養的に最強のコンビネーションになります。

さつまいもの収穫は9月〜11月ごろです。加熱しても残るビタミンCを含んでいて、でんぷんに守られて加熱しても壊れにくいのが特徴。食物繊維も多く含まれています。

材料

・さつまいも中サイズ……1本

・モッツァレラチーズ……50g

つくり方

①さつまいもの皮をつけたまま、2cm角のサイコロ型にカットします。

②ココットプレートにさつまいもを平らに並べ、上からモッツアレラチーズをのせ、ガスコンロのオート調理で9分で焼き上がり。

さつまいもの甘い香りとモッツアレラチーズのとろりとした食感が楽しめます。

❐ビタミンCが豊富なくだもの!

チーズには残念ながらビタミンCが含まれていないので、Cが豊富に含まれているくだものといっしょに食べるといいですね。ビタミンCといえば、肌のハリやうるおいを保つのに欠かせない栄養素です。

生ハムとメロンをあわせるおつまみは定番ですが、秋なら、梨、柿、リンゴ、マスカットなど旬のくだものを使うのがおすすめです。

梨とカマンベールチーズ

材料

・梨……1/2個

・クリームチーズ……2個

つくり方

梨は8等分のくし形に切り、皮と芯を除きます。クリームチーズはステック状に8本に切り、梨とチーズをお皿に交互に重ねてできあがり。

マスカットとチーズ

材料

・マスカット……3〜4粒

・クリームチーズ……2個

マスカットの粒を半分にカットし、クリームチーズも2cm角にカットして、透明グラスに入れます。種ごと食べられるジャイアントマスカットを使うと食べやすいです。ロゼワインとの相性がバツグンです。

まとめ

チーズに含まれるタンパク質やカルシウムは、身体をつくるのに欠かせない栄養素ですね。野菜やくだものを組み合わせると女性にうれしい食物繊維やビタミンCも効果的に摂取できるので、ぜひお試しください。