家庭菜園ナス・トマトに虫〜!あきらめる?今からできる害虫退治と対策

5月に植えたナスやトマトの苗が成長したと思った矢先、害虫に葉っぱを食べられてしまった……、ということはありませんか?貸し農園など週に1〜2度しか通えないという人は、先手を打っておかないとこんな事態に。毎日、世話をしなくとも野菜づくりはできますが、この時期に発生する害虫の種類や対策を知っておくと、被害を最小限に防ぐことができます。

家庭菜園の害虫の種類

野菜の害虫は苗の本葉が3〜4枚ついたころを見計らったように、どこからともなくやってきて葉っぱを食い荒らします。見つけたらすぐに取り除くのがいちばんですが、貸し農園など離れたところの畑だとなかなかそうもいきません。

畑にいる虫には害虫と益虫がいて、すべての虫が作物にダメージを与えるわけではありません。でも、せっかく大切に育てた野菜が食べられたり、病気にかかったりしないようどんな害虫がいるのか勉強しておきましょう。

アブラムシ

台所やトイレなどにときどきあらわれるアブラムシですが、野菜につくアブラムシの体長は小さく1〜4mmほどです。

葉や茎にアブラムシがつくと、養分を奪われてナスやトマトの成長が止まってしまいます。無数の小さなつぶが新芽や葉の裏側について、植物の汁を吸い成長を妨げます。また、他から運んできたウィルス病を媒介するため、ほおって置くとやがて植物が枯れてしまうことにもなります。

対処法は、数が少ない場合は手袋をしてひとつひとつ取り除きましょう。多く発生した場合は、薬剤を噴霧するのがいいでしょう。

ナスだけでなく、ほとんどすべての野菜につく害虫なので、見つけたらすぐ対処しましょう。

ハダニ

おもに葉裏に寄生するハダニ。体長は0.5mmと目には見えないほど小さく、梅雨明けから9月ごろまで発生します。

なるべく薬剤を使わないために、数日のあいだ水で洗い流すようにシャワーを続ければ退治できます。

ヨウトムシ

ヨトウムシは昼間は土の中にかくれ、夜になると出てきて野菜の葉を食べてしまうので「夜盗虫」と呼ばれます。

発生時期は4〜9月ごろで成長したヨトウガは体長3〜5cmにもなり、すごい勢いで食べるので被害も甚大になります。ナスだけでなく、あらゆる野菜の葉をすごい勢いで食べてしまうので、見つけたら箸でつまんで退治しましょう。

テントウムシダマシ

テントウムシはアブラムシなどの害虫を食べる益虫ですが、テントウムシダマシはナス科やウリ科の野菜などに多く発生する害虫です。4〜10月頃に発生し、甚大な被害をもたらすので早めの対策が必要です。

野菜の葉だけでなく実の肉も食べ、葉が網目状に透けて見える跡を残します。せっかく育った野菜が一網打尽にならないよう、テントウムシのような虫がいたら注意して観察しましょう。

発生しやすい野菜はナスのほか、ジャガイモ、トマト、ミニトマト、キューリ、ピーマンエダマメ、カラスウリ、ハクサイなどほとんどが被害をこうむるので、見つけたらすぐ駆除しましょう。

ナメクジ

梅雨時になると花の鉢植えなどでも見かけるナメクジですが、野菜も葉だけでなく実も、なんでも食べてしまいます。

春から秋にかけて発生し、昼間は日陰に潜んで夜間になると活発になります。

多湿な場所を好むので、野菜を植えるときは適当な間隔をあけ、日当たりと風通しのよい環境をつくることが大切です。

昔はナメクジがでると塩をかけろといわれましたが、これは脱水症状をおこし退治するわけです。畑の場合、塩をかけると土壌や作物に影響するのでナメクジの場所を移してから退治するようにしましょう。

害虫を寄せ付けない対策

野菜の苗を健康に育てるには、最初から害虫を寄せ付けない対策が大切です。できれば発生する前に予防対策をして、甚大な被害にならないよう気をつけましょう。

  • 天敵の虫に退治してもらう
    私たちにとってテントウムシというとかわいいイメージですが、テントウムシ1匹でアブラムシ10匹以上を捕食することがわかっています。畑のテントウムシは益虫なので退治しないよう、アブラムシを防ぐことができます。
  • 木酢液
    木炭をつくる時にでる水蒸気を冷やして液体にしたものが木酢液です。ボームセンターなどで手に入るので、農薬などの薬剤を使いたくないという場合は、アブラムシなどの害虫を駆除することができます。木酢液は土壌の消毒や有機微生物も増やしてくれるのでおすすめです。
  • 畑の日当たり、水はけ
    多くの場合、害虫は風通しが悪く湿気のある状態を好みます。周囲の雑草などを刈り取り日当たりを良くし、間隔をあけて植えるようにしましょう。雑草にも寄生するので、周囲の除草をこまめにすることも忘れずに。
  • マルチを敷く
    虫はキラキラした揺れるものを嫌がるそうです。翅を光があたる芳香に向けて飛ぶ習性があるためですが、苗を植えたあとシルバーマルチやアルミ箔などを敷くと害虫を防ぐことができます。
  • コンパニオンプランツ
    それぞれの野菜には集まりやすい虫の種類があり、違う野菜を近くに植えることで、害虫が混乱し寄せ付けない効果があります。
    夏野菜のトマト、キュウリ、ナスには、ニラやニンニク、バジルなどを一緒に植えると害虫の発生を押さえることができます。

まとめ

なるべく薬剤を使うのはさけたいですが、害虫が多発してしまったら放って置くとその後の成長に影響を与えてしまうのも困ってしまいます。そこで、早期発見や、コンパニオンプランツといった野菜同士の相性を考えて植えるのも一案ですよ。